2013-01-22

2013-01-22

”流れの落ち葉”5 本社ビル1

写真は池田自宅の信楽タヌキで、 阿波狸では有りません。

f:id:FUNFUJ:20150726052751j:plain

 

2.本社ビル

 昭和38年相変わらず百大さんの横で動作修理をしてる私、鶏太は突然次のSG

修理に廻されました。 SGとは中間周波数調整で高周波アンプをIFスコープを

見て、IFコイルを廻して調整することです。 そのスコープで不都合が出ると

ハネラレます。 TRはゲルマゆえ、IF回路間に裏付けにて調整用のチューブを

冠したコンデンサーを取り付けています。

 このコンデンサーをIFスコープを見ながら直すのがSG修理で、この工程を

こなした源太は昭和38年10月 3級技能員に、次の中間動作、完成

動作をやり遂げ昭和39年10月 2級技能員に進みました。

  「おい、フーさんお前また誤魔化したなー」

  「何がや、ナベさん」

  「なにがやて、完成品のこのはしのキズ不良直して返やんか」

  「知らんで、なんでそんなん言うんやー」

  「そうかて、不良の文字を消して流したやろうー」

  「そんなことするかいなー」

とフーさんは誤魔化していた。 なぜなら、こんなキズでいちいちケースを

変えていたら大損や、貧乏を身もって知って居るのです。

そのうち、なべさんも誤魔化されて検査OKとしてしまいました。

やはり、大阪商人の血筋を引いているのです。

 僕が第二コンベヤーのレコードプレヤー付き完成品もこなした頃会社も儲かって

来たか社員旅行が始まりました。 白浜、どこかの植物園へ。

 

 「フーさん、早うおいでよー」と沖縄から来た吉お嬢

  「直ぐ行くやんか、坊ちゃん早く、吉姉さんが焦っているでー」

  「そやかて、フーさん手を引いてくれへんもんー」と坊ちゃん

 「なに言うてんねん、皆が見ているやんかー」と照れる僕

 

  そんなことで、会社生活も慣れて来たある日、工場全体が猪飼野本社ビルに

移転することになりました。

いよいよ鶴橋界隈の活躍が始まります。

次回へ。 Y.F