”流れの落ち葉”15 ラジオ技術2
「山の彼方の空遠く、幸い住むと人の言う。」 堀 辰雄の詞
目次
2013年1/15日------13-1/16日
流れの落ち葉 ことの始め--スポット小説 "流れの落ち葉"を始めるに当たり
1/16日--------------1/16日----------1/20日
1 プロローグ---------2 入社1---------3 入社2
1/2日----------------1/2日------------1/24日
4 入社3--------------5 本社ビル1-----6 余話1 猫の話
1/24日--------------1/25日----------1/27日
7 余話2 名前について-8 余話3 目次--9 余話4動物園
1/28日--------------1/29日----------1/30日
10 本社ビル2------11 本社ビル3”-12 余話5鳩ぽっぽ碑”
2/4日----------------2/10------------2/12
13 本社ビル4-------14 ラジオ技術1-15 ラジオ技術2
”流れの落ち葉”15 ラジオ技術2
さて、昭和40年頃はエジソンの日本の竹を使ったタングステン電球から始まり、
ゲルマTR、シリコンTR、ICチップと技術進歩が急速に進歩した時代であった。
世間一般も、テレビ、洗濯機、冷蔵庫と三種の神器に沸き立っていた。
働けば働くほど実入りが伴う実感で有った。 船渡 電機でも、社長の指導
宜しく我ら一般も訳も無く、唯々働く日々であったが漠然と希望はあった。
今の時代も、阿部のミックスによるロボットの看護技術、IPS細胞による
新医療技術等の成長分野、実入りを伴う経団連への給料アップ要請と高揚の
期待に若手社員にも日々研鑽し、能力アップに努力するべしと思うのであった。
と私、藤木 鶏太はラジオ技術転属で張り切るのであった。
「なすことが無いと行っても多くある」S39年2/15の私の苦言です。
昭和41年2月頃、開発雑賀氏設計の47F1回路を基に量産体制に持って
行くための基板の設計が始まりました。 パーツの選定から、IF回路検討
、各部測定データ取り、AMP検討、低温、高温テスト、サービスノート
作成に半年を費やして仕上げました。
その頃のノートを見るとゲルマTRを使用し、IF回路のコンデンサーの
値を変えて調整していた。 そして、2階のコンベヤーで量産完了しました。
「Kチャン、なかなかやるやんー。」と藤巴係長が言う。
「いやー、藤巴さんの指導がいいですー。」
「この調子で今度は本格的に工場生産ヤーナー。」
「ご指導宜しく願います。」
さあ、いよいよ初めての各工場への量産指導の為の6~8ヶ月掛けての
量産設計生活が始まります。
次回へ Y.F