”流れの落ち葉”17 余話6背後霊
”流れの落ち葉”17 余話6背後霊
写真は小倉城です。
あたりは薄いピンク色が漂っている靄の中。
「うーうんー、ここは何処かいなー?」
「おい-、お前はん分からんのかー」
「あーん、あんたはんは何者やー」
「俺か、俺はこの家の家主霊やー」
「家主霊?なんの用や-、それに此所は何所やねん。」
「あのなー、この家の家主霊や言うても先々此所は
見込み無くてなー。 それで、お前はんの背後霊に
取り付こうと思ってなー」
「なにー、俺の背後霊につくて勝手に決めても困るわー」
「もう決めたんやー、お前はんの守護霊様も了解したんやー、
それえーん~」
ポンー、そう俺、藤木 鶏太は親父の出向先で間借りしていた 小倉藩の
古い家老屋敷で生まれたと母ちゃんが言うとったわ-。 それから
何十年か後の退職後のある猪名川花火大会の日、朝から飲んでいて
フウーと倒れ、そのまま意識を失い救急車が来て病院に担ぎ込まれたんやー。
川向こうから、きれい女の人が「早くこちらにいらしゃいよ-」
俺も呼びかけに応じて、よたよたと「そちらに何か良いことでも-」
と渡り掛けると後ろから、背後霊が襟首を持ち上げて「渡るんでは
無いぞー」と連れ戻しおるんやー。「あーあー、そやー、これは三途の
川やでー」と気付き、女の人に向かって「俺は渡らんぞ-、絶対にやー
俺には守護霊が付いとるんヤー」と叫んだーとたん、暗い部屋で
蛍光灯が光るようにパート目の前に光りが迫り来り輝いた。
「背後霊よ-、よき哉-、よき哉ー」と守護霊の木霊。
そこで、病院のベッドで目覚めたんやー。
あーあー、これで大丈夫やーと主医師が母等に云いよった。
それから、無事に退院出来て今に至った。
これが、私の臨死体験であった。
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