”流れの落ち葉”22 技術6三段壁

 ”流れの落ち葉”22 技術6三段壁

 

「佐埜チャン、これなんヤー、スピーカーBOXの下にブロック敷いて」
「そやかてなー、こうすると低音が落ち着くんヤー」
「そやけど、汚いやンー」
「まあー、人それぞやーでー」と井田君

 

写真は五月山動物園先の橋下を覗くと小さな谷川が流れています。

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  ここは生産技術時に僕、藤木鶏太と井田君で友達の佐埜君の家を
訪れた時彼の自慢のステレオセットを見た時の感想です。
彼は凝りに凝って畳部屋に真空管アンプセットを設定して、コーラルの
スピーカーBOXの下をブロック四枚平に敷いて、何の音楽か忘れたが
ガチャガチャ鳴らして悦に浸っていたのです。

「うわーアー、すがいなー、岩が縦に何段も並んでるでー」
「そやー、それも順番に大きい順に並んでるでー」と佐埜君
「すごいやろー、ほんなら誰が先に釣り上げるか競争ヤー」と井田君
「おーおーおー、釣れたでー、それも鯛やでー」と佐埜君
「えーえーもう釣れたんかー、早すぎるやんカー」
「佐埜君、誤魔化したんと違うカー、なんぼ,なんでも早すぎるワ-、
 なんやー、カサゴや-」と井田君
「ハーハーハー-、ざまー見ろテンダー」

 

 そう、ある日の夏、三人で和歌山の三段壁に遊びに行った時の光景で
日頃から良く連んで過ごしていました。
魚釣りをして、海岸縁にテントを張って泊まり、怪しげな土産屋を
冷やかして楽しく過ごしたある日の骨休めでした。
 しかし、時と共にそれぞれの能力に応じて会社内の部署に配属されて
行きました。 これもサラリーマンの宿命ですか。   

 

次回へ。 Y.F