流れの落ち葉”3 入社2
写真は阪神高速11号池田線の川に掛かる吊り橋です。
”流れの落ち葉” 3
昭和37年3月16日 私、藤木 源太が船渡(ふなと) 電機に入社する朝は
いつも通りに高校の学生服で出勤、家が貧しく背広を買う余裕が無かたのです。
池田から阪急梅田へ、環状線で鶴橋駅ホームでナベさんと待ち合わせ近鉄バスで
中川町に一時間四十分程掛けて会社に着きました。
定時8時39分前に総務部松木部長の訓示を拝聴し、配属先の部署の辞令を受けま
した。 ナベさんは品質管理の製造部検査勤務で、私も製造部勤務で製造部長の
ところへ連れて行かれました。 後の話ですが、ナベさんは製造部出荷検査室で
着替えゆえ、用のある時まではメッタに会えなく、その後、仕事での敵対関係に
なります。 私は背が低いセカセカしそうな製造部長藤木さんから、背の高い
製造課長田原さんを紹介され、コンベヤーの動作修理をすることになりました。
部長 ”おい藤川君言ってたように、この子後頼むで”
課長 ”はい、分かりました。 君、着替えはここの服かけに掛けなさい”
”おい-綾野さん作業着この子に渡してー"
”君、着替えたら、行くでーー"
僕 ”課長どこえですか?”
課長 ”なにー、そんなん決まっているやんかラインや”
僕 " えーえー、もう行くんですかー”
課長 ”何言うとんや、すぐ仕事せな時は金やでー”
とい言うことで、着替えは他の皆さんが裏の寮や、それぞれの場所で着替えていますが、私はこの製造部事務所の服掛けを使うように言われ、それからは毎日ここを利用しています。 事務所には部長、課長、組立女班長 若い頃の風吹ジュン似の小林さん、女事務員の綾瀬はるかを目を細くした様な田中さんの4人が居ます,が新米の修理者ゆえ、朝、帰りの挨拶ぐらいで殆ど机の横を通って着替えコンベヤーへ一直線です。
(余談ながら、女人には印象を得るためドラマの女優を参照させてもらいます、私は池乃めだかの髪を薄茶の地毛にし、その時にはもっと細い体型にした感じです。勘弁です。)
課長に連れられ、組立ラインの中間に。 椅子に座った高さのコンベヤーベルト前にベルトに沿って長い作業台があり、その一角に工具とテスターを揃えて不良の基盤を直している人が居ました。
課長 ”おい百大君、新入や 修理教えてやれやー、藤木くんしっかりなー、
ほんなら”
僕 ”はい、課長分かりました。 百大さん今後よろしくお願いします。”
百大 ”うん、課長いいよー 、藤木君横の空いているとこに座りやー、修理した
こと有るんかー 大丈夫か?”
僕 " はい、百大さん日本橋のアルバイト先で少しはやっていました。”
百大 ”ほんなら競争や、識っかり遣るやー”
この百大さんが、この先各工場の工場長になり最後は社長室に勤められ、今では
”ケイちゃん”(僕)、”百さん”(百大さん)と呼び合う中になるとは神ぞ知るです。
これから家と会社をくそ真面目に往復する毎日が始まるのです。
次回へ。 Y.F