”流れの落ち葉”19 ラジオ技術4お泊まりの網干

”流れの落ち葉”19 ラジオ技術4お泊まりの網干

 昭和42~43年頃でしょうか、2階の製造が無くなり技術設計が殆ど終わった
生産前の試作30台を外注での基板組立が必要となりました。
確かまだICは出来ていなくシリコンTRゆえ、パーツ点数が多く組立ラインで仕上げる必要から姫路近くの網干か、その手前か小さな駅の外注へ打ち合わせに行きました。PM8時頃、終わり明日またと云うことでホテルが有りそうな網干に戻ったのがPM9時近くで駅近くのネオンは殆ど消えていました。
仕方なくラブホテルの戸を開けました。
 写真は中山寺から見た甲山です。 昔、兵隊の鉄兜に似ているところから兜山と聞いた覚えが有るが、今は甲山となっています。 近辺の町名も甲山町になっています。

 

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 「あのー、すいません。 今日泊めてもらえます。」
「なにー、あんた一人やノー、此所何所や思うてんヤー」と姉さん。
「えーえー、分かっています。 しやけど、
もうー何所もネオン消えてもうて開いてそうに無いんですヨー。」
「ふんー、そやなーしょうが無いな-ー泊まりだけやでー何もないでー。」
「ええー、それでいいですがー、氷有りませんかー」
「なにー、氷ー、何するねん。」
「えーえー、腹の足しにウィスキー飲むんですわー」
「なにー、何も食べてへんのんかー、しょうがないなー。」
 と氷とパンを持ってきてくれました。愛想悪いけど親切でした。
「ほんなら、食べたらササと寐るんやでー、のぞき見するんやないでー」

 

 これが会社入って以来初めてのホテル泊まりでした。
この頃、皆が色々経験をしながら、がむしゃらに働いていましたナー。 

 

次回へ。 Y.F