”流れの落ち葉”52 出張4出迎え

 

”流れの落ち葉”52 出張4出迎え

写真は池田城織田信長に焼かれた城を2000年に公園として
整備され、前の舞台で薪能が催されます。池には鯉が泳いでいます。

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 一回目の中国から、帰れた僕、藤木鶏太は先ず、久山課長に中国
土産を渡しました。それから、出張精算で残業代を思い切り請求して
差し上げまして、大型テレビを買いました。 久山課長は可笑しいなー
何かある有るナー、それが、これカーとぼやいていました。
 それでも、命拾いした腹立ちが癒えません。 前の中国出張時に言い
忘れたが、上海から連雲港に汽車で行ったのは正月前で飛行機が
取れなかったからです。 ゆえ、この間、十日程は会社にも家にも消息
無しでした。 突然ホテルに弟から電話が掛かってきた次第で会社から
連絡あったが、心配したデー、とこれも腹立ちの原因です。
 それから数ヶ月して、課長に呼ばれ追加オーダ来てナーと、しかも
今度は慣れた遣ろう、一人で中国へ行ってくれるかです。
もう、言うこと無しですワー。

 

「兄ちゃん、この人ナーうちの会社の中国女工員で上海に帰るんやテー」
「ふんー、偉い頑張ってはんねんナー」
「それで、向こうに着いたら道教えてもらいヤー」
「うん、助かるワー、わしの中国語、台湾訛りやもんナー」
「大丈夫ですワー、お兄さんタクシーでホテルまで案内するワー」
「お願いしますヨー、そんなら行ってくるデー」
「うん、兄ちゃん今度は行方不明になりなヤー」

 

 というわけで伊丹から上海に飛び立ちました。 会社も気を遣ってJAL
ジャンボの2階特等席で、ウェイトレスがウイスキーで酌をしてくれ、大きな
ステーキで大満足です、ちなみに女工員は別席です、
 上海に着き、女工員と待ち合わせタクシに乗ると、何かペラペラと喋ると街中を
走り出しましたが、あっちこっち工事だらけです。 運チャンに聞くと上海万博で
大急ぎで道路を整備中とのこと。 女工員を家の近くで下ろし、ホテルに向かい、
見上げると、何となんとヒルトンではないか、チェクインしました。
 豪勢なリナーで過ごた後、翌る日案内嬢にタクシーへ上海国内線飛行場へ
行くように言わせ、国際線のとなりの乗る場から国内線飛行場に着きました。
 無事に連雲港の郊外の飛行場に着きました。 ソ連の飛行機を降りると辺りには
ガソリンの臭いが漂い慌ててタバコを仕舞いました。
 そして空港内の待ち合わせ場を見ても何所にも、誰もいません。 一時間を
過ぎても誰も来ず、此所で焦っても、しょうがなく売店の小姐と話してました。


「ウオース-、日本人ヨー」
「アンタ-ー、さっきから何してるのことヨー」
「待ち合わせで香港人来るのことヨー」
「アーアー、香港人ネー彼ら遅刻の常習なのネー」
「エーエー、彼らはそんなんケー」
「ふん、良く此所で外人待たされているネー」
 それから暫くしてワーゴン車で5人ほど着いて、ひとりが。
「オーオー、フーさん、私、項さん有るんネーよろしくネー」
「何がよろしくネーや、このチビコナスー、犀 女総経理どうしたんヤー」
「オーオー、犀さんネー、麻 薫事長と喧嘩別れしてネー私変わったあるネー」
「エーエー、変わったんケー」
「そう、こちらアンタにも共用の送迎の運転手の洋さんネー」
「そう、洋さんねーよろしくヤー」

 

「それからねー、驚かないネー、洋さん車に護身の刀、控えてるからネー」
 とビックリの連中の出迎えであった。 しかし、項さんはメガネを掛けて
犀さんと替われるぐらい頭の良さそうな、チビナスでした。
さあー、どんな仕事が待っているでしょうネー。
 ああー、それから、お金はダイエービザカードですので、ご心配なく。      

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